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- 文字符号の歴史 欧米と日本編
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共立出版
安岡孝一 安岡素子
- 価格
- 6,600円(本体6,000円+税)
- 発行年月
- 2006年02月
- 判型
- B5
- ISBN
- 9784320121027
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[BOOKデータベースより]
1章 電信符号の歴史(モールス符号の変遷;印刷電信機とその符号;国際電信アルファベットとCCIT)
[日販商品データベースより]2章 カナ符号から漢字符号へ(電信符号の発展;ASCIIとISO R 646とJIS C 6220;JIS情報交換用漢字符号系の成立)
3章 国際符号化文字集合への道(文字符号の乱立;国際符号化文字集合;国内要求と国際化の間で)
文字符号―あるいは文字コードといったほうが通りがいいかもしれない―を論じた書籍やWWWページを見ていると、どうも気になることがある。文字符号の現在の姿しか知らず、それがどのように発展してきたかを理解していない論者が、まま見られることである。とくに、文字符号の批評あるいは批判ともなれば、その文字符号の成立過程やそれ以前の文字符号との関係が重要な論拠となるはずであり、当時の文献の参照は必須のはずである。が、それが満足になされていない。その結果、現在の文字符号の姿をそのまま過去にあてはめてしまうという、トンでもない暴論がまかり通ってしまうのである。
そのような過去の文字符号のありさまに立脚しない暴論が、この世から少しでも減ることをねがって、私たち夫婦はこの本を書くことにした。連続した歴史のどの部分を切り出してくるかについては、非常に迷ったあげく、モールス符号から始めて20世紀の終わりまでということにし、日本とそれにかかわる欧米の文字符号を中心に論述した。また、過去の文字符号の姿を、できるかぎりそのままの形で伝えるべく、この本ではすべての図版を、当時の文献から引用することにした。文字符号の成立過程やその内容に関しては、伝聞や根拠のない憶測はいっさい避け、あくまで文献によって裏づけのとれる事柄だけを、参考とした文献とともに示した。文献学や科学史研究においては、ごくあたりまえとされていることを、あたりまえにやっただけである。
なお、私たち夫婦としては、この本を入門書のつもりで書いた。すなわち、文字符号の歴史に関する入門書であり、基礎資料となるものをめざした。したがって、読者諸氏は、けっしてこの本の内容を鵜呑みにせず、あるいはこの本の記述を孫引きしないようにされたい。この本の内容は、文字符号の歴史の一断面にすぎないし、また文字符号を論ずる際には、当時の文献の参照は必須だからである。
(「はじめに」より)