天皇・天皇制・百姓・沖縄

社会構成史研究よりみた社会史研究批判

吉川弘文館
安良城盛昭　

• 価格: 2,883円（本体2,621円＋税）
• 発行年月: 1989年04月
• 判型: Ｂ６
• ISBN: 9784642072694

内容情報

[BOOKデータベースより]

常に学界をリードする著者の最新の研究成果。全時代・全歴史事象の分析・総括の上に成り立つ社会構成史研究の立場から、最近流行の「社会史」研究を批判し、全時代を通じての天皇制、中世百姓の「移動の自由」、近・現代の沖縄、被差別部落史研究、の各本質について客観的な解釈を示すとともに、Ｘデーをめぐる社会状況を分析し、「昭和」天皇擁護論についての学問的・批判的検討を加えた論考も収めてある。歴史学を志す若い読者にも好適な入門書である。

１　網野善彦氏の近業についての批判的検討
２　歴史学からみた天皇制
３　世界史的範畴としての「天皇制」―網野善彦氏の「中世天皇論」についての批判的検討
４　網野善彦氏の近業についての批判的検討（再論）―網野氏の反論に反論する
５　天皇と《天皇制》
６　天皇の長期的・持続的存在についての分析視点をめぐって―網野氏の批判にこたえる
７　沖縄戦と米軍沖縄直接支配に対する天皇の個人的責任―復帰１５年と海邦国体前夜の沖縄との関わりから
８　はてしなき過程としての復帰―急速な本土化達成は幻想
９　琉球・沖縄と天皇・《天皇制》
１０　復帰１５年、いまだに日本になりきれない沖縄―新崎盛暉『日本になった沖縄』によせて
１１　式目４２条解釈と「移動の自由」
１２　「無縁所」・「公界」「公廨」・「随意」
１３　織田権力の歴史的性格
１４　歴史研究に占める社会構成史研究の地位
１５　Ｘデー・「昭和」天皇・天皇戦争責任