[BOOKデータベースより]
原作の変異としてある文芸映画が、にもかかわらず、かけがえのない固有性を帯びるのはなぜか。すべての創作物を第二次テクストとして見る立場から、『雪国』『夫婦善哉』『山びこ学校』『心中天網島』などを分析し、オリジナリティという観念に揺さぶりをかける。
序説 文芸の様式と映画の特性―豊田四郎監督『雪国』
1 “原作現象”の諸相(“原作”の記号学―『羅生門』『浮雲』『夫婦善哉』など;“複数原作”と“遡及原作”―溝口健二監督『雨月物語』;古典の近代化の問題―溝口健二監督『近松物語』;“原作”には刺がある―木下恵介監督『楢山節考』など)
2 展開される“原作”(意想外なものの権利―今井正監督の文芸映画『山びこ学校』と『夜の鼓』;反転する“リアリズム”―豊田四郎監督『或る女』;擬古典化と前衛性―篠田正浩監督『心中天網島』;混血する表象―トニー・オウ監督『南京の基督』)
展望 第二次テクスト理論の国際的射程―映画『神の子どもたちはみな踊る』と『薬指の標本』
すべての創作物は第二次テクストである。
文学作品を原作とし、その変異としてあるはずの文芸映画が、にもかかわらず、かけがえのない固有性を帯びるのはなぜか。
『雪国』『羅生門』『浮雲』『夫婦善哉』『雨月物語』『山びこ学校』など戦後日本映画黄金期の名作から、『心中天網島』などの前衛作、『神の子どもたちはみな踊る』『薬指の標本』といった現代映画までを仔細に分析し、オリジナリティという観念に揺さぶりをかける。
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