[BOOKデータベースより]
厳罰化や監視強化ではなく、寄り添うことによる「更生=甦り」を目指し、エビデンスから実証的に考える犯罪学。
犯罪学とは何か
第1部 少年非行の諸問題(少年非行減少の原因を探る;非行少年たちはどこに行ったのか;犯罪統計から見た少年法適用年齢引下げの問題点 ほか)
第2部 刑罰の諸問題(刑務所と社会との関係を考える―大井造船作業場の逃走事案から;刑事司法と認知症―認知症受刑者から見える刑事司法の課題;懲役刑の廃止と自由刑の一本化の課題)
第3部 犯罪学の最前線(矯正保護に関するエビデンスから見た日本の犯罪者処遇;犯罪生物学の過去・現在・未来―脳・遺伝と犯罪;日本における外国人犯罪)
凶悪犯罪が起こるたびに叫ばれる「厳罰化」は、実は犯罪対策としては機能しない。
犯罪の背景には、差別や格差、孤立、生活苦などの、人としての尊厳に関わる困難な環境が存在する。そこへの対応こそが重要である。
著者はかつて少年鑑別所、少年院、少年刑務所、刑務所などで働き、また国連機関で各国の事情を研究し、現在は大学で研究を続けている。
その豊富な経験と多くの科学的証拠(エビデンス)から、犯罪対策を考える上で忘れてはならないのは、罪を犯す人たちが私たちと同じ人間であり、刑罰を受けた後は地域社会で生活を共にするという事実であると、著者は説く。
そして刑罰について考える際には、そのような人たちにどのような人になって地域社会に戻ってきて欲しいのか、そのために何が必要なのかという視点が不可欠だという。
このような視点から、最近の国会や法制審議会で具体的に議論となっているテーマを中心に、あるべき犯罪対策・刑事政策を考えるのが、本書である。
この商品をご覧のお客様は、こんな商品もチェックしています。
- 犯罪不安社会
-
価格:814円(本体740円+税)
【2006年12月発売】
- 法益保護によって刑法は正当化できるか?
-
価格:2,200円(本体2,000円+税)
【2015年02月発売】