[BOOKデータベースより]
人間は移動する生き物である。交通政策基本法を単なる理念で終わらせない。新たな交通価値の気づきを根づきへ。誰もが移動に困ることのない地域社会を創る参加と協働の姿を描く。
第1部 転換期の交通政策(交通政策基本法と緑の交通政策;道路交通関連の社会資本整備の理念転換;都市交通変革のシナリオづくり)
第2部 市民参加型交通政策の展開(道路公害訴訟に係る道路連絡会の意義と課題;総合交通計画と市民参加;バリアフリーと市民参加;公共交通と市民参加―コミュニティバスなど;市民からの提案「道路の使い方を変えたい」;自治体公共交通政策における市民参加の日仏比較―鉄軌道の再生・導入を例に;赤字地域鉄道を財政で支える価値とは何か―持続可能な地域発展という観点から;被災地における公共交通の確保)
人間一人ひとりにとっての交通価値を考慮し,環境,福祉の観点を適切に反映して形成・実施する,持続可能な「緑の交通政策」.その具体的な姿と実現手法を描き出す.2013年に制定された交通政策基本法により高速化一辺倒の政策は見直され,利用者・住民である市民やNPOの参加のもとで総合的な交通計画を作成し,公共交通の維持を図る動きが進む.いま大切なのは,「気づき」を「根づき」へとつなげていくことである.