[BOOKデータベースより]
パスカルの思索の中心にあるのは、思考や推理を誤り、欲望のとりこになり、罪を犯し、老い、病にさらされ、やがて死んでいく存在としての人間である。未完の著『キリスト教護教論』における人間の身体、および身体をともなう人間の生の両義的な価値とは?
第1章 愛と邪欲
第2章 習慣と信
第3章 sentiment―直感、感覚、繊細さ
第4章 「中間」の両義性
第5章 病と死
第6章 人間の尊厳
第7章 無知
パスカルの思索の中心にあるのは、人間の思考や知性の卓越性ではなく、つねに身体の影響をこうむる人間の精神、精神のはたらきを妨害する人間の身体である。身体は罪の源泉であり、真理の認識の障害であるが、他方でその身体の存在こそが、人間に罪の自覚を促し、真理への到達を希求させる。そうした希求を信と呼ぶならば、信はまさに身体という桎梏を必要とする。本書は、「愛」「習慣」「直感」「中間」「賭け」など、『パンセ』の中心主題をめぐるテクストの精読を通じて、パスカルのキリスト教弁証の試みにおける人間の身体、および身体をともなう人間の生の両義的な価値を明らかにする。
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