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[日販商品データベースより]
たびたび「私」を見失う安吾。その「野生」のひらめきとは?
「野生の文体」の「文体」とは、本書であつかった小説が様々なスタイルで書かれていることをあらわしている。安吾が様々な文体を模索して小説を書いたことと、無頼派の像としての、原稿用紙の散乱した部屋の写真などと結びつけて語られる「坂口安吾」との間に、果たして乖離はないのだろうか。
本書は、安吾のテクストで表現される文体のゆたかさ、煩雑さ、矛盾、混沌とした様相により多くの価値を見いだす。
文学テクストの上に表現された形式を仔細に分析すること、表現された内容と形式がどのように関係しているのか、もしくは関係していないのかを見定めること。本書でしつこくくり返したのは、安吾の文学テクストに表現された形式と内容の結びつきの必然性を明らかにするという一事である。
全体を、序 章─安吾の文体、「野生」のひらめき、第一部 様々なる文体─分裂が結局総合を意味するのだ、第二部 歴史を語る─せめぎ合う歴史と現実、第三部 女性を/が語る(立ち上がる)─男性作家、安吾の限界、終 章─「坂口安吾」とは誰なのか、で構成。
これからの新しい「坂口安吾」の像のために。気鋭の論者による、これからの安吾論の登場。