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三島由紀夫

その愛と献身という徒爾

鳥影社
三田益可 

価格
3,080円(本体2,800円+税)
発行年月
2020年11月
判型
四六判
ISBN
9784862658449

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内容情報
[BOOKデータベースより]

『仮面の告白』の中に出てくる、「悲劇的なもの」、「「身を挺している」と謂った感じ」という記述には、何か不穏で甘やかな響きがあった。三島由紀夫について考えはじめたきっかけである。三島の真実を知ることは、自分の真実を知ること、もしかしたら、私たちの真実を知ることになるかもしれないという予感があったのだと思う。小林秀雄をはじめ、三島の作品には“他者”がいないとする評者は多い。だが、“他者”のいない現実を生きる人はいない。『仮面の告白』、『金閣寺』、『太陽と鉄』、『豊饒の海』の四作品を主たる対象とし、登場人物にとっての“他者”がどのように描かれているかを考察することによって、三島の実人生における問題の核心に迫る。

第1章 『仮面の告白』論―「告白」というフィクションと「不在」化する「私」(「私」の戦略的語りと、理解としてのイメージ化;「私」という主体の生成と、不可能な恋;人生と“生”;「「不在」に入れかわる」ということ)
第2章 『金閣寺』論―“他者”と“言葉”という「私」の問題(序章としての第一章;金閣による支配とその影響;「私」と“他者”;金閣を焼くということ)
第3章 三島由紀夫における二元論の克服が意味するもの―『太陽と鉄』を中心に(“他者”との合一;三島由紀夫の“他者”;三島由紀夫の「自由」と「幸福」;三島由紀夫における二元論の克服が意味するもの)
第4章 三島由紀夫における感情と権威主義的倫理の問題―『豊饒の海』を中心に(『豊饒の海』と、怒りという感情;「認識」することと「行為」すること;輪廻転生の物語と権威主義的倫理の問題)

[日販商品データベースより]

三島由紀夫のあの事件を、小林秀雄は「孤独な事件」と言っている。小林の心を揺さぶった三島の「孤独」とは何だったのであろうか。

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