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- せみまる
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人が動かす歴史
本書の舞台は徳島県勝浦郡上勝町。Googleマップで確認すると、相当に山奥のように見えます。ミカンが主要な農作物であった同町だが、1981年に未曾有の寒害に見舞われた際に壊滅的な打撃を受けます。当時、農協に勤務していた著者は、その状況を挽回すべく農作物の大転換を実施します。
その実績を以て農家からの信頼を集めた著者は、ある時に寿司屋で目にした光景をヒントに「つまもの」としての葉っぱを売るビジネスを思いつきます。ようやく数人の支援者を得た後、 出荷したものの見込んでいた値が付かない。
なぜだろうと考えた著者は、実際にその葉っぱが使われているであろう料亭などに自腹で通い詰める。内容情報には「命がけの蘇生術」とあるが、これ文字どおりの意味。料亭での市場調査の結果で通風を煩ったり、その後の話ではあるが心筋梗塞になったりとまさに命がけ。
なにが著者をこれほど動かしたのか。月並みではありますが、著者の持っていたヴィジョンが突き動かしたのだろうと思います。それは、閉塞した田舎町に働きがいや笑顔を取り戻したいという想い。女性やお年寄りでも手軽に扱える「葉っぱ」という商材を思いつき軌道に乗せたのも、そんなヴィジョンがぶれなかったからにちがいない。
著者を中心に上勝町はその歴史を大きく変えました。歴史は、人が変えるものであって自然に変わるのではない。そんな単純なことを感じた一冊です。
[BOOKデータベースより]
男は朝っぱらから大酒をあおり、女は陰で他人をそしり日々を過ごすどん底の田舎町。この町でよそ者扱いされた青年が、町民の大反発を買ったことから始まった感動の再生ストーリー。今では70代、80代のおばあちゃんたちが、売上高2億6000万円のビジネスを支え、人口の2倍もの視察者が訪れる注目の町に変貌した。著者が二十数年かけて成し遂げた命がけの蘇生術の全貌が明らかになる。
第1章 とんでもない町に来たなぁ
[日販商品データベースより]第2章 そうだ、葉っぱを売ろう!
第3章 葉っぱがおカネに変わるまで
第4章 彩ビジネス急成長
第5章 転機の訪れ
第6章 彩とともに再生した町
第7章 成功のヒミツ
第8章 上勝いろどりからの提言
ニューズウィーク日本版「世界を変える社会企業家100人」に選ばれた男の壮絶な生き様。おばあちゃんが、葉っぱを売って年収1000万円。地方再生、老人福祉、事業改革など成功のヒントが満載。