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[BOOKデータベースより]
パウル・クレーは、抽象的フォルムと現実のイメージにまたがる領域を自由自在に横断し、すべての近代画家の追随を許さない豊かで不可思議な作品群を生みだした。光と物質、形態と記号、あるいは生命的運動と幾何学的思考など、そもそも矛盾しかない造形がなぜ可能になったのか、また、繊細かつ魅力あふれる色彩絵画は、いったい造形理論とどのように関連するのか―ゲーテ、オストヴァルト、アルプ、ヘルツェルを参照し、クレー芸術の核心に迫る。
1 形態(クレーにおける「分節」概念の成立;「自然研究の道」―画家クレーにおけるゲーテ;エネルゲイアとしての造形―ゲーテの植物学と二十世紀美術;結晶としての造形―クレーとモデルネ;コンステレーションとしての造形―一九三〇年のクレーとアルブ)
[日販商品データベースより]2 色彩(クレーにおけるオーバーラップ―もうひとつの制作論とガラス絵;クレーと色彩論;クレーとオストヴァルト;色彩論のイデオロギー―オストヴァルトと一九一〇年代の芸術と制度;絵画の導きとしてのエネルギー―クレーとゲーテ・再考)
3 セミオーシス(眼―クレーにおける記号と形態;「美しい石切り場」―階層のありか;アトリエの不在者―力のトポロジーとしての「部屋」;語り手としての画家、そして語り手たち―クレーとリルゲとハウゼンシュタイン;クレーとベックマンにおける神話的ノーテーション―墜落/飛行する男性/女性)
「芸術とは、眼にみえるものを再現するのではなく、眼にみえるようにすることだ」
▼「形態」、「色彩」、「記号過程」の観点から、画家の抽象と具象の造形世界を探る本格画家論。
▼パウル・クレー(1879-1940年)は、抽象的フォルムと具象的イメージにまたがる領域を自由に横断する制作を展開し、いずれの流派にも属さない特異な作品群を多数のこした。
画家の叡智の現われである汲み尽せぬ豊穣な造形世界は、いまもなおわれわれの興味を惹いてやまない。
▼形態と記号、あるいは生命的形態と幾何学形態など、一見矛盾しかねない造形がなぜ可能になったのか、また、独特で魅力にあふれた色彩表現は、色彩理論とどのように関連するのか――ゲーテ、オストヴァルト、アルプ、ドローネー等を参照し、クレー芸術の核心に迫る。