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[BOOKデータベースより]
さまざまな表現活動をおこない、同時代を生きる人々に大きな影響を与えた寺山修司の行動原理を浮かび上がらせる画期的な論考。全著作一覧付。
寺山修司論の現在
[日販商品データベースより]第1部 壜詰の世界―人物・ダイアローグ・“私”(空っぽのアパート―その生涯;ダイアローグ―寺山機関の力学;“私”論の形成;ふたりぼっちのわたしに―映画『田園に死す』(一九七四年)を読む)
第2部 クロスジャンルの道程―映画・ラジオ・テレビメディア(ラジオを巡るジャンル考;見出されるジャンル―テレビドラマ『一匹』(一九六三年)を巡って)
第3部 世代間のダイアローグ(歴史語りへの抵抗;誰でもなかったころ―映画におけるオマージュ)
詩人とその宇宙観―トレーンからの使者
ダイアローグという手法
1930年代半ばに青森県弘前市で生まれた寺山修司は、短い生涯のあいだに短歌、詩、写真、ボクシング、競馬、映画、演劇、音楽、ラジオ、テレビ、ビデオレターなど、じつにさまざまな表現活動をおこない、同時代を生きる人々に大きな影響を与えた。その寺山作品は現在でも生き続け、新しい世代のファンが誕生している。このような寺山修司については数多くの評論やエッセイが書かれているが、作品ジャンルが多岐に亘るためか、これまで彼の書誌情報がまとめられることはなかった。
著者の堀江氏は寺山の初出雑誌すべてに目を通し、NHKアーカイブスのラジオとテレビの全資料を確認することで、いままで未整備の全著作目録をはじめて完成させた。
その研究において、これまで知られていなかった寺山修司の行動原理が明らかとなる。「対話すること、他人と関わりを持とうとすること、これこそが、寺山が生涯を通じて求めたものの一つであった」。寺山修司のダイアローグという手法とは、どのようなものか。本書では、この行動原理がかたちとなって表われる1960年代を軸に、新たな寺山像を浮かび上がらせていく。巻末には寺山修司単行本全書誌、ラジオ番組年譜を付す。