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[BOOKデータベースより]
「患者A」と主治医の危険な関係、大戦の命運は左右されたのか?「錠剤の形をしたナチズム」の恐るべき実態に迫る、傑作ノンフィクション!英『ガーディアン』年間最優秀図書(歴史部門)選出!
第1部 国民ドラッグ「メタンフェタミン」 一九三三年〜一九三八年(ブレイキング・バッド―帝国首都のドラッグ工房;一九世紀の序曲―原薬物 ほか)
[日販商品データベースより]第2部 ジーク・ハイ―電撃戦はメタンフェタミン戦なり 一九三九年〜一九四一年(証拠探し―連邦公文書館軍事記録局(フライブルク);ドイツの軍隊はドイツの薬物を発見する ほか)
第3部 ハイ・ヒトラー、患者Aと彼の主治医 一九四一年〜一九四四年(現地訪問―アメリカ国立公文書記録管理局(ワシントンD.C);ブンカー・メンタリティ ほか)
第4部 その後の濫用―血とドラッグ 一九四四年〜一九四五年(現地訪問―連邦軍医科大学校(ミュンヘン);奇跡の薬物を求めて ほか)
「錠剤の形をしたナチズム」の実態に迫る
ヒトラーの主治医テオドール・モレルは、一本の注射で体調不良を解決する頼りがいのある医師だった。ヒトラーはホルモン剤、鎮痛剤、覚醒剤、そしてモレルへの依存を深め、不調のたびに投薬や注射を求めるようになった。第二次世界大戦が始まり、ヒトラーは誇大妄想にとりつかれ、現実遊離が目につくようになり、軍事作戦能力も徐々に失われていった。足を引きずり、腰も曲がって、くたびれた老人のように見えた。一方、前線兵士は薬物によって「猛獣と化す」ことが目標とされ、無謀な作戦に投入され、総統大本営も制御を失い、もはや究極の破滅に突き進むしかなかった……。ヒトラーとモレルの危険な関係は、大戦の命運を左右したのか?
本書は、ヒトラーと第三帝国が薬物に深く依存していたことを暴き、世界的ベストセラーとなった歴史ノンフィクションだ。歴史学者ハンス・モムゼンが本書の「あとがき」で、「これまでの全体像を変える本」と評したのをはじめ、イアン・カーショー、アントニー・ビーヴァーら専門家も賛辞を寄せている。著者は作家らしく、逸話を満載し、史料もきちんと渉猟し、早く続きを読みたくなるような、手に汗握る展開をみせる。