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[BOOKデータベースより]
現実か、悪夢か。現実性と非現実性が交錯する14の物語。イラクにはびこる不条理な暴力を、亡命イラク人作家が冷徹かつ幻想的に描き出す。現代アラブ文学の新鋭が放つ鮮烈な短篇集。PEN翻訳文学賞、英国インディペンデント紙外国文学賞受賞。既刊2冊から14篇を選んでアメリカで出版された英訳版からの翻訳。
[日販商品データベースより]現代アラブ文学の新鋭が放つ鮮烈な短篇集
アラビア語版がヨルダンで直ちに発禁処分を受け、ペンギン社から刊行された英訳版がPEN翻訳文学賞を受賞した、イラク出身の鬼才による14の短篇集。
「死体展覧会」:人を殺し、その死体をいかに芸術的に展示するかを追求する謎の集団。その幹部である「彼」は、新入りエージェントの「私」に心得を説く。「我々は狂信的なイスラーム集団ではないし、非道な政府の手先でもない」。そして「彼」は、陳腐な人道的感情≠ノ感染したあるエージェントの末路を語りだす……。
「アラビアン・ナイフ」:僕たちは「ナイフの術」で結びついた仲間だ。4人は目の前のナイフを忽然と消すことができ、ただひとり僕の妻だけが消えたナイフを取り戻すことができる。ナイフはこの国を覆う残虐さの象徴なのか? 謎はいっこうに解けぬまま月日は流れ、ある日、消息不明になっていた仲間の最期を知る男が訪ねてくる……。
独特の奇想が悪夢のように展開し、どれも忘れがたい幕切れを迎える。イラク戦争をめぐる文学において、米国の作家とはまったく異質な感性が登場したと高く評価され、20以上の言語に翻訳されている。作家は1973年バグダッド生まれ、現在はフィンランド在住。