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価格:3,960円(本体3,600円+税)
【2019年03月発売】
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[BOOKデータベースより]
古代ギリシアの哲学と宗教を究め、仏典や和漢の古典と対比する。古代ギリシアの知見から日本を見、仏教者の目でギリシアを読む。聖和学園短期大学元学長の独創的な学術エッセイ。
第1部 古典ギリシアの運命観と論法(運命をになうもの―アリストテレスの「人は人を生む」の理解;説得と二分割法―二分割法を巡る死闘・真理を授ける教育・芝居を見せる説得;二つのからだのディオニューソス―残酷でしかも慕わしい二重性の神;エロースの相―古典ギリシアからインドと大和に及ぶ愛の探究と讃美 ほか)
[日販商品データベースより]第2部 古典ギリシアの冥界に見る「蛙の浄土」(冥府往還の準備に―ヘーラクレースに教えを乞うディオニューソス;冥府の渡守のことばから―英雄テーセウスと渡守カローンと冥土近辺の人ケルベリオス;エムプウサの周辺―三途の川を越えた死者を待ち受け困らせる変幻自在の女妖怪;イアッコス神―祭における突発的な叫びに由来する神の探究 ほか)
古典ギリシア学者にして禅者である聖和学園短期大学元学長・松田紹典。古代ギリシアの知見から日本を見、仏教者の目で古典ギリシアを読み解く、独創的な論考集。
第一部「古典ギリシアの運命観と論法」は、アリストテレスからディオニューソス、エロースそしてデルポイと、取り上げる領域は哲学から神話、伝承と広範に及ぶ。厳密一点張りの論証に信を置かず、救済を約束する声高なことばを怪しみ、古代ギリシアの民衆に潜むさまざまな伝承・祭儀・神話の森に分け入ろうとするのは、それこそが示唆に富む智慧の宝庫だからである。
第二部「古典ギリシアの冥界に見る「蛙の浄土」」では、アリストパネースの喜劇「蛙(バトラコイ)」を扱う。十一章からなる一連の論考は、冥府下りのドラマの背景をなすおびただしい神話・伝承を、ホメーロス、ヘーシオドスといった詩人から、プラトーン、アリストテレスという哲学者、そしてパウサニアスやアポロドロスといった旅行者……と可能な限りの文献を漁り、各地に残る故事来歴を調べ、神殿・彫像に至るまで広く渉猟し、次から次へと話を紡いでいく。
宗教、伝承、哲学と古典ギリシアの文献に遊び、意の赴くままに仏典から漢籍へと渉猟する、学術エッセイ。