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[BOOKデータベースより]
ナノ構造磁性体を取り巻く国内外の趨勢を反映し、電気電子工学分野でのナノ構造磁性体の形成、評価、機能開発、応用展開について総合的にまとめる。電気電子工学分野のナノ磁性体で将来にわたって省くことのできない重要なトピックスを取り上げて詳しく記述。
第1章 ナノ構造磁性体の概要(ナノ構造磁性体のあらまし;ナノ構造磁性体の基礎物理現象とその工学との関連:ナノ構造磁性体の工学上の諸問題;ナノ構造磁性体への期待;おわりに)
[日販商品データベースより]第2章 ナノ構造磁性体の物理的特性(ナノ構造磁性体の機能性;ナノ構造磁性体の光との相互作用について;ナノ構造磁性体の高周波機能;ナノ構造磁性体による新機能性)
第3章 ナノ構造体の形成と磁性(物理形成;化学形成;新規な手法によるナノ構造磁性体の形成)
第4章 ナノ構造体材料(ナノ結晶ソフト(軟)磁性バルク材料;ナノ結晶ソフト(軟)磁性膜;ナノコンポジットバルク磁石;ナノコンポジット磁石膜)
数ナノメートルから数百ナノメートルのスケールで人為的構造を導入した磁性体は、その構造に起因した新規の磁性や機能を示すことから、これを工学的に利用しようとする研究が重要な技術分野を形成しつつある。たとえば、ナノメートルスケールで磁性膜厚の制御を行うことで現れる巨大磁気抵抗効果(GMR)やトンネル磁気抵抗効果(TMR) は良い例で、現在の高密度記録ハードディスクの磁気ヘッドとして不可欠なものとなっている。
このようなナノ構造の磁性体を形成する方法にも大きな展開があり、従来のスパッタ法やイオンビーム蒸着法、MBE法などの物理的形成方法に加えて、熱処理による相分離を利用する方法や気相凝集法、島状成長を利用する方法などが利用されている。一方、陽極酸化法によるポーラスアルミナ構造の応用やブロック共重体の自己組織化現象、電気化学反応(電析)による多層膜やグラニュラー薄膜形成などの化学的形成方法も積極的に利用されるようになってきた。
最近では、スピン偏極電子を注入するスピントランジスやスピン流の積極的な利用が検討されると共に、ナノコンポジットバルク磁石、ナノコンポジット薄膜磁石の開発も進められるようになり、この分野も基礎的研究フェーズから本格的な応用フェーズに移行しつつある。
本書は、このようなナノ構造磁性体を取り巻く国内外のすう勢を反映して、電気電子工学分野でのナノ構造磁性体の形成、評価、機能開発、応用展開について総合的にまとめたものである。この分野の先導的な研究を推進されてきた多くの研究者が著者となり、個々の立場から電気電子工学分野のナノ磁性体で将来にわたって省くことのできない重要なトピックスを取り上げて詳しく記述している。
第1章では、ナノ構造磁性体の全体像を描画している。第2章では、ナノスケールにおけるスピンの物理の概説や、光波長と同程度のスケールの周期構造媒体での光(高周波電磁波)の性質と磁気との関係、ナノグラニュラー構造膜の高周波応用、さらにはスピンエレクトロニクスの観点から、磁性スピンとキャリアとの相互作用について紹介し、ナノ構造磁性体を中心とした新規の材料開発や設計の指針について論じている。第3章では、ナノ構造磁性体の形成法に焦点を絞り、気相プロセスを中心とした物理形成法と化学形成法について解説している。また、この分野の材料形成で最近開発され注目を集めているいくつかの手法についても紹介している。第4章では、ナノ構造バルクソフト材料の歴史や最近の開発動向、その原理と最近の話題を紹介すると共に、ナノコンポジットバルク磁石の原理と最近の研究動向や、ナノコンポジット薄膜磁石の動向についても言及した。