[BOOKデータベースより]
ようこは自分の部屋に戻り、箱を見た。お人形のおいてあった下には、着替えが幾組かたたんであり、さらにその下のほうにもう一つ、箱のようなものが入っている。開けると、和紙にくるまれた、小さな食器がいくつか、出てきた。「説明書」と書かれた封筒も出てきた。中には便せんに、おばあちゃんの字で、つぎのようなことが書いてあった。『ようこちゃん、りかは縁あって、ようこちゃんにもらわれることになりました。りかは、元の持ち主の私がいうのもなんですが、とてもいいお人形です。それはりかの今までの持ち主たちが、りかを大事に慈しんできたからです。ようこちゃんにも、りかを幸せにしてあげる責任があります。』…人形を幸せにする?…どういうことだろう、ってようこは思った。どういうふうに?梨木香歩・最新ファンタジー。
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異なる存在を認める。
そうやって成長していく女の子のおはなし。
お雛様が入り婿だとか、それで男雛がマスオさん状態だとか、お人形事情がおもしろい。
日米親善大使の人形のところでは泣きました。感動とか簡単な言葉で片づけられない、心の奥深くに沈み込んでゆくようなお話です。
自分のお雛様が大好きな人、抱き人形と心を通わせた経験のある人、草木染め遊びの経験がある人、読んでみて下さい。大人になればなるほど深く読めると思います。
私はおばあちゃんが作ってくれた、木目込みの七段飾りが大好きです。
決して高価な物ではないけれど、ほほえんだ優しいお顔の自分のお雛様が大好きでした。
そして緋毛氈で隠された段の後ろは秘密基地で、女雛の結婚道具でおままごとしたくてしたくてウズウズしたもんです。
きっと私だけではないと思います。みんな自分のお雛様が好きで、そして楽しい節句の思い出があるんだと思います。そんな女心をくすぐりつつも読ませて泣かせる1冊。
高学年からどうでしょう。(てぃんくてぃんくさん 40代・奈良県 女の子12歳)
【情報提供・絵本ナビ】