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[BOOKデータベースより]
文藝賞受賞の実力派作家の体験にもとづく介護・看取り小説。「世間体」と「本音」の間で揺れながら、介護を通して女たちは「老いと死の現実」を教えられる。
[日販商品データベースより]介護する嫁の実感満載!文藝賞受賞作『おしかくさま』で本格的にデビューした実力派作家が、実体験にもとづいて「世間体」の影響力を描いた新たな「介護・看取り」小説。再婚を機に東京から地方都市に移住した桃子を待っていたのは、長男の嫁としてかかわる義理の父の介護だった。アルツハイマー病の夫を三年老々介護した義理の母がついに白旗を上げたとき、「長男だからおやじを引き取るべきだ。ホームに入れたら世間がなんと言うかわからない」と夫に言われて桃子は悩む。介護の押し付け合い、グループホーム入所後のケア、入院先での付き添い、老健施設への移行。何が正解かわからないまま、しかたなく介護を続ける桃子の前に、必ず世間体が姿を現す。義父を在宅介護する友人の恭子、育児と仕事と介護の三つ巴につぶされそうになる瞳、死んだ夫の両親に家政婦のように扱われている静子。この三人も、長男の嫁として介護を背負わされ疲れきっていた。血がつながっていないからこそ、嫁たちは世間の視線が気になって介護を投げ出せない。やがて時とともに衰弱してゆく義父の最期を通じて、桃子は、寿命を生き切るその姿に心を動かされ、老いの力強さを肌で知る。人生を終えるのは一大事業なのだ。