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[BOOKデータベースより]
共寝した男女が翌日に別れることを意味する、「後朝の別れ」。それは闇の中で行われた。これまで、その時間帯が注目されることはなかったが、それではあまりにももったいないので、これまでの「常識」をあらためて検討し直す。恋物語において“別れの時刻”として機能する、その大事な時間帯は、聴覚や嗅覚の描写によって、男女の別れ際の心の機微が表出されている。ここから物語の読みを深めてみたい。本書は「垣間見」る源氏物語の姉妹編である。
後朝の別れ―闇のなかで
[日販商品データベースより]1 後朝の風景(後朝の時間帯「夜深し」;女性たちへの別れの挨拶―須磨下向へのカウントダウン)
2 音がみちびく別れ―聴覚表現(人妻と過ごす時―空蝉物語の「暁」;庶民生活の騒音―夕顔巻の「暁」 ほか)
3 香りの物語―嗅覚表現(「なつかし」と結びつく香り;男性から女性への「移り香」 ほか)
共寝した男女が翌日に別れることを意味する「後朝の別れ」。その大事な時間帯は、聴覚や嗅覚の描写によって、男女の別れ際の心の機微が表出されている。本書では、そこから物語の読みを深めていく。