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- 海炭市叙景
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- 価格
- 770円(本体700円+税)
- 発行年月
- 2010年10月
- 判型
- 文庫
- ISBN
- 9784094085563
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ユーザーレビュー (1件、平均スコア:3)
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- sige
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作者の遺作、続きがあったらどう変わっていただろう
1988年に書かれたものだから今から25年位前の作品だ。モデルの函館は、北海道の南の玄関として栄えていたと思うが、この年、青函トンネルが開通して町の様子が変わっただろうか。また、航空機の普及などでだんだん寂れているのだろうか。そんな街に暮らす色んな仕事をする人間を描き出す、合計18話の短編群像小説。
それぞれの登場人物があちこちに見え隠れするのだが、単独の作品ではちょっと物足りない感じ。人物描写は素晴らしくしっかりイメージを捉えることが出来る。読後、第1話のあの妹はその後どうなったのだろう、という思いだけが強く残っているが他の話の印象は薄い。
全体的に作品のトーンは暗い。やはり北海道の冬は冷たく厳しい。そこで生活している人々も首都などとは違った自然環境に耐えながら生活しているので暗く感じるのだろう。第1章が冬、第2章が春だから、3章4章で夏や秋が出てくるとまた違う明るい雰囲気が出てきたかもしれない。が、著者はこの作品の後、残念ながら死んでしまった。
[BOOKデータベースより]
海に囲まれた地方都市「海炭市」に生きる「普通のひとびと」たちが織りなす十八の人生。炭鉱を解雇された青年とその妹、首都から故郷に戻った若夫婦、家庭に問題を抱えるガス店の若社長、あと二年で停年を迎える路面電車運転手、職業訓練校に通う中年男、競馬にいれこむサラリーマン、妻との不和に悩むプラネタリウム職員、海炭市の別荘に滞在する青年…。季節は冬、春、夏。北国の雪、風、淡い光、海の匂いと共に淡々と綴られる、ひとびとの悩み、苦しみ、悲しみ、喜び、絶望そして希望。才能を高く評価されながら自死を遂げた作家の幻の遺作が、待望の文庫化。
[日販商品データベースより]北の町に暮らす人々を描く悲運の作家の遺作
「海炭市叙景」は、90年に自死を遂げた作家、佐藤泰志(1949-90)の遺作となった短編連作です。海に囲まれた北の町、「海炭市」(佐藤の故郷である函館市がモデルです)に暮らすさまざまな人々の日常を淡々と描き、落ち着いた筆致の底から、「普通の人々」の悲しみと喜び、絶望と希望があざやかに浮かび上がってきます。この作品が執筆された当時はいわゆる「バブル」時代でしたが、地方都市の経済的逼迫はすでに始まっていました。20年の歳月を経て、佐藤泰志が描いたこの作品内の状況は、よりリアルに私たちに迫ってくると言えます。
函館市民たちが主導した映画(熊切和嘉監督・加瀬亮、谷村美月、小林薫、南果歩などが出演)の公開は2010年12月の予定。映画化をきっかけに、心ある読者に愛されてきた幻の名作が、ついに文庫となって登場します。
【編集担当からのおすすめ情報】
映画「海炭市叙景」は、東京国際映画祭コンペティション出品作です。12月18日から渋谷ユーロスペース・横浜ジャック&ベティ、川崎アートセンター他で上映予定。以後、全国数十館でも上映の予定です。
*12月にフィリピンで開催された第12回シネマニラ国際映画祭で、グランプリと最優秀俳優賞(アンサンブル・キャスト)をダブル受賞しました!
*「本の雑誌」増刊「文庫王国2010-2011」誌上で、「本の雑誌が選ぶ2010年度文庫ベストテン」3位に選ばれました!