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[BOOKデータベースより]
北からも南からも出没する異国船。海の外がどうも騒がしい。そう直感した蘭学者たちの前には、「鎖国」という厚い壁が立ち塞がっていた。その頃世界は一人の風雲児によって激動の嵐に巻き込まれており、日本近海の動揺もその余波であった。“震源地”ナポレオンの事績に関心を持ち、伝記を訳述、紹介した小関三英は、蛮社の獄直前に自刃。しかし、彼が開いた西洋偉人研究は兵法研究へと広がる一方、幕末の志士たちの精神的な糧となった。
1 ナポレオンと同時代の日本
2 北と南からの危機
3 ゴロウニン事件とナポレオン情報
4 頼山陽、ナポレオンを詠う
5 シーボルト事件と蛮社の獄
6 ナポレオン研究の流れ
補論・古写本への旅―小関三英のナポレオン伝を訪ねて
付録「江戸のナポレオン伝」(岩下哲典抄出・編)