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- 錬金術のイメージ・シンボル事典
-
- 価格
- 4,400円(本体4,000円+税)
- 発行年月
- 2017年10月
- 判型
- A5
- ISBN
- 9784865980417
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[BOOKデータベースより]
本書は、その全盛期にあたる16世紀から17世紀に流布していた錬金術文献や当時の文学的資料を中心とし、その他、年代的に幅広く、大量の文献資料を学術的に精査して、錬金術における用語や、紀元後初頭の数世紀から20世紀末までの象徴表現を網羅的に収録、集大成し、それらが持つ意味を、具体的に錬金術と文学の資料を引用しながら、専門家ではない一般読者にも分かりやすい物理的(自然科学的)観点と、秘義的すなわち哲学的観点の双方の視点から簡要に解説している錬金術事典である。
[日販商品データベースより]"好評のケンブリッジ大学版、初版から7刷の「読む事典」!
錬金術とは自然科学を生み出した元であり、哲学・思想・文学にも多大な影響を与えている。錬金術における謎めいて難解な象徴やイメージを錬金術書にとどまらず、貴重な図版50 点を含め、チョーサーから、シェイクスピア、ベン・ジョンソン、ミルトン、さらにはナボコフなどの現代作家にまで及ぶ文学作品の引用を通して鮮やかに浮き彫りにしている。優れた参照・参考文献に送られるOutstanding Reference Work Award を受賞するなど研究書における基本図書である。
「chemical wedding 化学の結婚」
錬金術は、エデンの園における堕罪の際に人間は自身の内部で分割され、2 つの性に分離されており、人間の内にある対立する力が一致・調和される時にのみ、完全なるアダムの状態を取り戻すことができるというヘルメス主義の観念に基づいている。このような普遍的な男性の力と女性の力の結合は、物質的世界における病だけではなく、分離した魂の苦痛をも癒すことができる第3 の物質ないしは効力を生み出す。形而上学的に言えば、化学の結婚とは、純粋なる愛(子供、「石」)を生み出すための、創造の意志あるいは力(男性)と知恵(女性)の完全なる結合である。この「石」の創造は、常にある種の犠牲ないしは死を伴う。愛し合う猛禽(→図6)は交尾するが、同時に互いをむさぼり喰らい合う(→bird,strife)。『哲学者の薔薇園』の6 番目のエンブレムは、棺に横たわる結合した恋人たちを描いているが(マクリーン『薔薇園』39)、ミューリウスの『改革された哲学』の6 番目のエンブレム(エンブレム第2 集)で表現されている恋人たちは、その両側にサトゥルヌスと、大鎌を持った骸骨が立つ、ガラスの棺に入れられている(図10)。結婚における死は、結合前の初期の分化された状態の消滅を象徴するとともに、コアグラ(凝固)つまり結婚の祝いの時が、即座にソルウェ(溶解)すなわち死の嘆きに変質されてしまうことも伝えている。多くのテキストがソルウェとコアグラは同時に起こると明言している…。"