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[BOOKデータベースより]
なぜこれほどまでに、日本はデュシャンを好んできたのか。本書は、一九二〇年代から八〇年代における日本の美術界および文化批評の場でのデュシャン受容の様態を確認し、日本の前衛美術や批評言語がどのように自らの方向性を見出してきたかを分析・考察する。「芸術家」としてのデュシャン理解の多様性と揺らぎを、キュビスム、ダダ、シュルレアリスムを辿りながら確認し、「反芸術家」としてのデュシャン像が、瀧口修造や東野芳明の言説を介して日本現代美術に与えた影響の本質を抉り出し、「超芸術家」としてのデュシャンが、無限のテクストを産出しつつ、いかに“日本的なるもの”へと帰着していくかを浮き彫りにする。
第1章 芸術家マルセル・デュシャンの日本への移入(西洋モダン・アートの移入とデュシャン受容;日本の超現実主義とデュシャン―瀧口修造と山中散生;レディメイドと見立て―日本の伝統との接続)
[日販商品データベースより]第2章 戦後美術、反芸術ムーヴメントにおけるデュシャン(シュルレアリスムの再検討からネオ・ダダへ;反芸術論争におけるデュシャン理解―批評言説との関係から;デュシャン受容の多様性―物体・観念・言語として)
第3章 超芸術家としてのデュシャン(東野芳明と中原佑介のデュシャン像再考―“大ガラス”読解を中心に;宇佐美圭司と赤瀬川原平―絵画か超芸術か;テクストとしてのデュシャン)
付録 対談 岡崎和郎×平芳幸浩 オブジェをめぐって
"なぜこれほどまでに、日本はデュシャンを好んできたのか。
本書は、1920年代から80年代における日本の美術界および文化批評の場でのデュシャン受容の様態を確認し、日本の前衛美術や批評言語がどのように自らの方向性を見出してきたかを分析・考察する。「芸術家」としてのデュシャン理解の多様性と揺らぎを、キュビスム、ダダ、シュルレアリスムを辿りながら確認し、「反芸術家」としてのデュシャン像が、瀧口修造や東野芳明の言説を介して日本現代美術に与えた影響の本質を抉り出し、「超芸術家」としてのデュシャンが、無限のテクストを産出しつつ、いかに""日本的なるもの""へと帰着していくかを浮き彫りにする。実物が眼前にないままに、その影だけを追いながら作品と言説が積み上がる日本のデュシャン受容の様相は、西洋化と土着化とに分裂しながら突き進んだ日本現代美術の姿を映す鏡となる。"