豊村悦子詩集 葦笛
著者:豊村悦子
出版社:石風社 地方・小出版流通センター
価格:2,500円
発売日:2025年12月
判型:A5/ページ数:274
ISBN:9784883443376
西洋文明の海で
もがき続ける
中から
生まれ出た
言葉が
詩的世界となって
著者の影を
乱反照する
(言語は)自由に操作できる面白さと同時に、多義性と危うさにも気づき始めた。
ひとごとのようだが、危うさゆえに、広がる言葉の可能性を紡いで、
何か手ごたえのあるものをつかみたい、と思ったようなのである。
ー章ー
受取人不明
雨の幻想
カバの背
カルカッタ
ポリフォニー
「受取人不明」
私の放つことばが道に迷い
受取人不明でかえってきた
迷っていたのはことばではない
月は私を理解しないけれど
私は月を理解できると思っていた
ニュートンの顔つきをして
運動を数式に閉じ込め
ロケットを月に飛ばす
無限を集合で括り
未来まで見通せると思っていた
ところが私にはボディがない
腹も減らず眠くもならない
ことばは「私」を集め・つなぐ足場を見失う