中華民国期の「童子軍」
ボーイスカウト運動の受容と展開
中国においてボーイスカウトは「童子軍」と呼ばれ、中華民国期に学校の内外で広く推進されていた。イギリスでロバート・ベーデン‐パウエルによって創立されたスカウト運動の理念を受け継ぎ、中国国内の青少年教育に取り入れ国際的で非軍事的な活動に力を入れていた童子軍運動であったが、戦争の影響によってやがて変転を余儀なくされる――。清末上海租界の外国人による少年組織から民間教育者による児童本位の活動、そして、戦時下の銃後動員まで教育と訓練の間でゆれるその足跡を、豊富な史料にもとづき克明にたどる。