フランス会社法における新株発行規制
株主総会によるコントロール
株式会社が資金調達のために行う新株発行。この方法には既に保有されている株式の価値を低減させるなど、既存株主の権利を損なう可能性がある。資本の増加を目論む企業と、株式の価値を維持したい株主の間に存在するジレンマはどのように解決できるのか。株主の利益保護を優先しながら解決をはかったフランス会社法について、特別総会と取締役会の関係や、優先引受権のありように着目し、成立の経緯のみならず実際の運用に即した柔軟化の過程まで、商法典の条文を克明に辿る。