十干十二支の大予言
歴史に学び、未来を読む
「歴史は繰り返す。法則は不変である。それゆえに過去の記録はまた将来の予言となる」(寺田寅彦『科学と文学』より)と物理学の大家が言ったように、歴史は繰り返している。著者は2011年の正月の講演会で、来場者の今年はどんな年になるのかという質問に対して、「十年、二十年と歳月を経ても、忘れられない日本史の大事件・大事故が起こる可能性が高いと思います。天災もあるでしょうが、むしろ日本人の記憶に残るのは人災のほうではないかと思います」と答えた。そして、その年の3月11日に東日本大震災が起こり、終わりの見えない福島原発の大事故へとつながった。
また、2020年の元日の講演では、「これまでの日本史が経験してきた、最大級の出来事が起きる年廻りとなりそうです」と答えていた。そして直後に起きたのが、中国から始まり世界中が巻き込まれたコロナ禍だった。
著者は予知能力があるわけではなく。「易学」の専門家でもない。歴史研究家である著者は、過去に起きた歴史上の出来事を、六十周年周期であらためて思い起こし、その出来事を並べて比較しながら、その類似点などを見つけだし、かならず存在した“前兆”を求め予想し、今に重ねて推求して自らの見解を生み出しているのだ。
「易学」はわかりやすく言えば、何百年、何千年という長い歳月を費やして帰納された統計学的な理論である。その易学の「十干十二支」は六十通り、たしかに歴史上の大きな出来事を六十年ごとに並べてみると、各々に共通する原理や原則のようなものが見えてくる。
「本書は「易学」を学ぶ入門書ではなく、ましてや予言書でもない。「易学」の十干十二支を歴史学の仮想演習に用いて“未来を読む”――将来を具体的に考えるためのものである。
「温故知新」――古きを学び新しきを知る。過去を学ぶことできっと未来への展望が見えてくるはずである。
《目次》
はじめに
未来を読む手段(ツール)
コロナ禍は予想できたか〓
第一部十干十二支の大予言
歴史学にいう“未来を読む”とは〓
易学とは何か
十干について 甲乙丙丁戊己庚辛壬癸
十二支と歴史上の人物の関わり
十干十二支の歴史と日本の「国号」
十二支散策 子・丑
十二支散策 寅・卯
十二支散策 辰・巳
十二支散策 午・未
十二支散策 申・酉
十二支散策 戌・亥
第二部十干十二支の日本史
一、甲子(かっ し)
二、乙丑(いっ ちゅう)
三、丙寅(へいいん)
四、丁卯(ていぼう)