認識と行動の地球環境学
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地球環境学は50年の歴史をもつ。これまでは自然科学を中心にさまざまな分野から,地球環境の危機が指摘されてきた(地球温暖化や水環境,砂漠化,生物多様性など)。今日は,単に危機が提唱されるだけでなく,さまざまな分野の定量的な分析をもとに「プラネタリー・バウンダリー」越えの問題が,毎年分野別に図として国際社会で提示され,早急の解決が求められる重要課題となっている。その結果,現在の地球環境学は,自然科学だけでなく経済学や法学,公共政策学などの社会科学のほか,哲学や倫理学など人文学に及ぶ進化をとげている。
多くの分野が関係する新たな地球環境学について,社会科学・人文科学の多分野と地球環境学との関連を文理横断の視点から俯瞰してコンパクトにまとめた本が,シリーズ「未来社会をデザインする」である。
「包摂」(Inclusion)と「正義」(Justice)の観点から考察したI巻につづき,II巻では,人間側の「認識」(Cognition)と「行動」(Behavior)をテーマに,課題を洗い出す。分野別に地球環境学との関連を述べた全10章を通読すると,以下のキーワードについて,地球環境学との関連が深く理解でき,文理横断の観点からの課題解決の方向性がみえてくる。
[II巻で扱う主なキーワード]