書かずにいられない味がある

100年前の韓食文学

仕入元在庫あり

著者:イ・サン 八田靖史 
出版社:クオン 地方・小出版流通センター
価格:2,000円

発売日:2025年10月
判型:四六判/ページ数:244
ISBN:9784910214641

内容情報(日販商品データベースより)

〈食〉は暮らしと文化の生命線



プルコギや冷麺がソウルで日常的に食べられるようになったのは、

今からたった約百年前のこと。

地方や海外の味が流入し、外食店が増え、

朝鮮半島の食文化が大きく変貌していった時代でもある。



当時の人々のいのちをつなぎ、生活を彩った〈食〉の数々が、

作家や記者らの筆によって臨場感をもって描かれる――。



どこから読んでも味のある、小説、エッセイ、ルポルタージュ40選。



●訳者解説より



すべての作品に共通する内容として、人々の食にかけるひたむきな姿勢があげられる。植民地下の厳しく、貧しかった時代、食べることは生きることと同義であった。大衆居酒屋でマッコリをあおる姿も、水っぽく薄い粟粥を懸命にすする姿も、病気の妻にソルロンタンを買って帰るため必死に働く姿も、日々を懸命に生きる人たちのリアルな日常である。そこには飽食の時代にあって、ついつい忘れがちな食への原初的な情熱が込められており、読めば読むほどに調理技術を超えた「味わい」が伝わってくる。

 訳者としての立場ではあるが、一読者としても満腹度の高い一冊であった。



――コリアン・フード・コラムニスト 八田靖史

<< 前のページへ