気象学者 増田善信 信念に生きた101年
「黒い雨」に科学で挑んだ、気象学者101年の記録
増田善信(1923―2025)の生涯は101年におよんだ。台風の進路予報に関する数値的研究など気象学の最前線で研究に励み、日本の気象学の発展に多大な足跡を残した科学者である。
晩年は原爆による「黒い雨」調査に全力を注ぐ。原爆投下後に降り注いだ放射性物質を含む雨がどれほど広範囲に、どのような影響を与えたのか被爆者たちの証言を集めて科学的に裏付けし、司法判断を支えることで被爆者認定の拡大に尽力した。
本書は、その長大な人生を克明にたどり、研究者としての歩みと人間としての信念を描き出す。
異常気象や災害が頻発する現代において、科学者はどのように社会と関わるべきか。増田氏の生涯は、わたしたちに深い問いと希望を残してくれるだろう。
気象学の歴史から平和の記録まで、また信念を貫いた一人の生涯の記録として、多くの人々に訴えかける一冊。