ルネサンス教育論集

知泉学術叢書 イタリア・ルネサンス古典シリーズ 39 
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著者:レオナルド・ブルーニ エネーア・ピエール・パオロ・ヴェルジェリオ シルヴィオ・ピッコローミニ 
出版社:知泉書館 
価格:5,000円

発売日:2025年08月
判型:B40/ページ数:420
ISBN:9784862854414

内容情報(日販商品データベースより)

15世紀初頭の北イタリアでは,人文主義の勃興とともに新しい教育機関が設けられ,教育論・学習論が次々と執筆された。本書は,代表的な4人の思想家の著作と書簡を詳細な注と解説を加えて訳出する。近代教育の基盤とも言えるルネサンスの教育思想および理想的人間像とは,どのようなものであったのか。
初期ヒューマニズム最大の理論家の一人ヴェルジェリオによる『自由な青少年にふさわしい性格と学問についての本』(1402頃)は,自由学芸を初めて体系的に論じ,エラスムスが登場するまで最も読まれた教育論であった。
フィレンツェの書記官長で多彩に活躍したブルーニは,新発見のキケロ『弁論家について』に影響を受け,真の学識は知識とレトリックが一体化した境地にあるとして『学問と文才について』(1422-29頃)を著した。彼の膨大な書簡から抜粋した「教養書簡集」(1400-42)には,同時代の人文主義サークルの知的動向が如実に窺われる。
後年,教皇に即位したピッコローミニの『子どもの教育について』(1450)は,統治者以上に智恵を必要とする者はいないと論じ,幼少のハンガリー王のために身体と精神の鍛練を考察した上で,宗教的な教育,そして読書と学習のプログラムを取り扱う。
グアリーノ『教授と学習の順序について』(1459)は教育者の父が創設した学校の実践と理念を克明に描き,ドイツのギムナジウムやフランスのリセの原型となった。
現代における子どもの教育のみならず,読書論や独学にも豊かな示唆を与える,西洋教育思想史の古典論集である。

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