住宅の社会性を考える
住宅観と地域社会の形成
なぜ住宅は「社会的」なものなのか
住宅観・住宅構想の変遷と、民間零細借家、社宅、市営住宅、橋下の住宅、そして、ホームレス向け簡易宿舎での住民の日常生活や抵抗・反対運動の事例から考える。
地域社会の形成にとって重要だったのは住民や関係者の「積極的」な関与だけではない。戦後日本の「橋下」住宅を訪問する警察官、学校の先生、民間零細借家における家主、ドイツの市営住宅に住む身体的、精神的障がいを持つ高齢の女性住民の「消極的」な関与もまた、地域社会の形成に欠かせぬ要素となった。