機械仕掛けの音楽誌

自動人形はオペラの夢を見るか

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著者:長屋晃一 
出版社:アルテスパブリッシング 松沢書店
価格:2,800円

発売日:2025年08月
判型:四六判/ページ数:272
ISBN:9784865593204

内容情報(日販商品データベースより)

歌え、人造のミューズよ。

科学技術と芸術のはざまに消えた

「音楽の錬金術師たち」の系譜をたどる

もうひとつの音楽史。



歯車は奏で、幻想は踊る。

いざ、音楽と機巧(からくり)の迷宮へ!



ラッパが響きわたる人工洞窟、

海と怪物のスペクタクル、

即興演奏を記録する機械、

虹色を奏でるクラヴサン、

フルートを吹く自動人形、

天使の楽器アルモニカ、

香りをふりまくオルガン……



命なき楽士たちがつづる500年の音楽史。



「音楽は人の手が楽器を鳴らして演奏するもの、人が声を発して歌うものだ。そういう常識の片隅でわたしたちは、機械じたいが鳴らす音楽に心惹かれずにはいられない」

──「前口上 機械が歌をうたうとき」より



「人を驚かせたいという願望が自動人形や自動演奏機械、早変わりする舞台装置を生み出した。アルモニカの音色、ファンタスマゴリーの誘惑、色と音と香りの共鳴、そこには人間の認識にたいする科学の夢がある。あるいは、消えてしまう即興演奏を書きとめようとする試み、これはレコーディング、そして現代の打ち込み式の楽譜入力で可能になった。しかし、その思想・願望は18世紀には生まれ、それほど現代とは異ならないかたちで提案されていた。ただその当時の技術が追いついていなかっただけである」

──「あとがき」より



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