光の階梯/闇の折り目
刻印
М嬢のアリアは、黒々とした闇の集合体そのものがおのずからうたと化すことによって、非在の、決して見ることのできぬ不吉な閃光を要請する。
(「М嬢のアリア」)
「飛礫こそは、日常をおおいつくす緩慢とした地続きの変動ではなく、断裂を飛びこえることによって一挙に別世界を出現させる、非連続的な思考の華なのである」(「飛礫考」)。
硝子頭……嗜眠の町……夢切り場……。異域との境界を超えた果てに、存在の闇の幾重もの折り目に宇宙の摂理を見る、非線形の詩学。「現代詩手帖」好評連載詩、待望の書籍化!装幀=中島浩