庵に息づく四季の詩
心ほどける自然の彩り
―山並みに建つ庵から届ける、自然への讃歌―
花しぐれはらりきらりと大桜
蝉の声山はねかえし朝早く
山並みにみかんのジュウタン敷きつめて
夕焼けに染めし三日月白い山
(本文より)
人間の傲慢さが、自然を、そしてこの地球を蝕んでいる。
本来、人は動物や草花とともにあり、彼らの命に支えられながら生かされているというのにー。
静岡県・海抜三百メートルの大里峠。
その山腹にひっそりと庵を結ぶ著者が、自然と向き合い、四季のうつろいの中で詠んだ俳句の数々。
そこには、人と自然が共に在ることの尊さ、命あるものへの深いまなざしと感動が、言葉となって溢れ出している。