ナチス党員とはだれだったのか

ナチズムの軌跡と結末

仕入元在庫あり

著者:ウルリヒ・ヘルベルト 斉藤寿雄 
出版社:現代書館 
価格:4,000円

発売日:2025年08月
判型:A5/ページ数:352
ISBN:9784768459799

内容情報(日販商品データベースより)

本書はフライブルク大学の歴史学者ウルリヒ・ヘルベルトの25年にわたるナチス研究の論文、講演11本をまとめたものである。

さまざまな視点からナチスの犯罪を糾明するアプローチにより、ナチズムの本質と犯罪を丁寧に解明している。ドイツ国民を引っ張ったのは犯罪者の小さな集団だったのか、それとも国民のはば広い層に担われたファシズム運動だったのか。「だれがナチス党員だったのか」という問いに対する答えは数多く存在する。ウルリヒ・ヘルベルトは、この問いを自分の研究の出発点にすることによって、ナチ独裁体制の性格に深く分け入り、その支配の中心的な視点を浮き彫りにしている。

的確に根拠を示してゆく彼の論文は、ナチズムの歴史に対する彼の考察をまとめているばかりでなく、この数十年間にナチ研究がたどった道を反映し、すぐれた成果をあげている。本書を読むことで、ナチスの戦前、戦中、戦後の犯罪と問題点の全体像を浮き彫りにすることができる。

ナチス研究者に向けた精緻な報告ではあるが、ナチ独裁体制に関する今日的立場が複層的にまとめられているほか、ナチの思惑通りに働かせられた市民やアカデミックな専門家の心情も客観的に指摘されている。一般読者もナチズムについて視野を広げ学ぶことができる一冊。

<< 前のページへ