技術獲得のグローバルダイナミクス
国境を越える人材移動が導く日本企業再生へのパスウェイ
特に1990年代以降、日本の技術を支えてきた優秀な人材が多く海外企業へ流出し、海外企業は日本企業を追い抜いていった。この様相は 2016 年刊行の前著『技術流出の構図』でも描き出されている。
日本はこのまま競争力の低下を甘受し続けるしかないのだろうか。本書では技術者の流出と流入の両面からビッグデータを深く分析し、世界と日本の現状を明らかにするのとともに、日本企業再生への道筋を探る。半導体産業における主要 6 カ国の技術者の移動実態の分析では、人材の国際間の相互交流が活発化し、世界規模での人と技術の流動化が顕著な状況と、その相互交流の輪から蚊帳の外に置かれている日本の姿が浮き彫りとなる。その一方で、これまで十分に検証されてこなかった日本への技術流入の側面からもアプローチし、日本企業における外国人技術者のイノベーション貢献の可能性も探る。
とかく、技術流出の危機的な側面ばかりがクローズアップされ、流出防止策の議論が目立つ。本書は、技術流入すなわち、外国人技術者のもたらすイノベーションという未知の可能性の検証も行い、流出と流入の両面から、技術流動性を軸に日本企業再生への具体的な戦略を提案する。日本が再び世界に選ばれる国となり、日本企業の競争力が再生される未来への道筋(パスウェイ)が見えてくるはずだ。