光のしるべ
えにし屋春秋
「今日は実入りが少なかった」と話す物乞い仲間のおみきに連れられ、八つほどだという信太が〈えにし屋〉を訪れた。
店には同じころ、やけに疲れて見える夫婦から、人探しの依頼が。
五年前の火事の夜に三歳で生き別れた倅・平太を探してほしいという。
生きていてももう八歳、顔も背丈もまるで違うはずだ。
それを何故今になって?
お頭の才蔵は望み薄と呆れるが、夫婦の独特の気配に心を揺さぶられたお初は頼みを引き受ける。
だが、お初が物乞いならではの調べ仕事を頼んだおみきが殺されてしまい……。
交差する謎と人の縁、傑作長篇時代小説シリーズ第二作!