哲学的エッセイ集
借りものではなく、自分の哲学で考えるために―。
混迷を深める世界を生きるためにいま私たちに必要なもの、それは「自分の哲学」を持つことです。
カントが言ったように、哲学を学ぶことは「哲学すること」を学ぶことに他ならず、その先にある自立的な思考にこそ意味があります。
そのために本書では、小論という形をとりながら多彩なテーマを採りあげつつ、「哲学すること」を学ぶためのヒントをお伝えしていきます。
手始めに人間の本性は善か悪かの問題を人間形成の過程が問われる「性無記説」から考察し、私たちの日常にも溶け込んでいる「運命」に人の意志はどう対峙してきたかを思想史の流れを追いながら概観し、神や自由、哲学の社会的位置づけにも目を向けて思考を展開していきます。
学部生や大学一般教養課程の方はもちろん、世の中の諸問題を自分で考えたい人にも示唆に富んだ哲学小論集です。