「負けるが価値」の地域術
勝つためのノウハウが求められるいま、あえて「負け」の視点からその価値を見いだし、まちとまちを作る人を見ていくこと。
廃墟という負けの景観を残す人気のまちづくりや、観光に頼りすぎた京都の商品化から来る弱点などの地域論。若者による負けアイドルの推し活やZ世代のSNSと関係読解リテラシー、勝ち続けていたフジテレビに象徴される「テレビ局負けるが勝ち」など、人との関係性から仕事術まで、「負け」が価値を生み出す事例を幅広くとらえ議論する。
勝ちパターン、ノウハウ、マニュアルという「正しさ」に無批判に追従しているだけでは、「価値」も「勝ち」も得られないものである。悪しき権力性とは「正しさ」の独占のことである。そのような、ありがちな権力性に陥るのを忌避し、それしかない「正しさ」から距離を置く態度とは何か。「負けることの価値」とは「価値観が変容することを妨げないこと」であるetc…「負け」を主題に地域論から人生論まで、その多様な拡がりを描いてゆく!