祝祭日が語るカナダ
「祝祭日」は歴史や社会を映し出す鏡である。
祝祭日は、人々の年間の生活サイクルに組みこまれた身近な存在である。
何を祝うために設けられ、どのような経緯で始まり、どのような変遷をとげてきたのか。
それぞれの祝祭日には歴史があり、それを知ることは、その国の歴史や社会を理解する重要な手がかりとなろう。
カナダの場合、全国レベルの祝祭日もあれば、州や地域独自の祝祭日もあり、
それらのなかには、移民・先住民・宗教に関するものも少なくない。
これらの祝祭日は、英仏の植民地時代を経て大英帝国から自立した歴史、
米国とは似て非なる展開をとげてきた歴史、あるいは多民族・多文化社会の歴史などを反映しており、
まさにカナダの歴史を映し出す鏡といってよい。
本書は、カナダの祝祭日の起源や変遷を通して見えてくる、この国の歴史や社会を詳らかにするものである。