航空機産業の技術競争力と認証制度
グローバル市場におけるボーイングの盛衰
巨大企業が市場と技術を独占する論理,
それを支える国家の市場介入
新自由主義と株主資本主義は、
いかにして「強み」を「弱み」に変えたのか
アメリカ製造業の象徴であるボーイングが,グローバル市場における技術競争力を獲得し,喪失しつつある理由を,新自由主義や株主資本主義を背景とする政治経済環境と企業経営の変化,国家の認証制度との関係で明らかにする.また,航空機を「つくる」段階には達する日本航空機産業が,「うる」段階だけでなく,「とばす」段階にも到達できない理由と課題を展望する.本書は,産業立国の根幹をなす品質管理や安全性で問題を抱える日本のモノづくりにも教訓を示す.