ジャンヌ・ダルクの物語
象られた人生
著者:キャスリン・ハリソン 北代美和子
出版社:白水社
価格:4,500円
発売日:2024年12月
判型:四六判/ページ数:462
ISBN:9784560091432
600年にわたる変容の歴史を紡ぐ
15世紀、農民の娘であったジャンヌ・ダルクは、イングランドに占領されていたフランス領を奪還せよという「神の声」に導かれ、英仏百年戦争の転機となるオルレアン解放を果たす。そして、宗教裁判によって弱冠19歳で火刑に処され、後年には列聖された──。
魔女狩りのような異端審問や誹謗中傷をのりこえ、史上屈指のヒロインとして聖人になったジャンヌの生涯を、本書では、多様な側面から物語ってゆく。裁判記録、法廷での本人の証言、年代記、書翰など歴史的資料、文学をはじめ、絵画・映画など表象文化に描かれたジャンヌ・ダルク像も網羅し、その実像と象徴的意味に迫る。とりわけ、イエス・キリストの生涯と比較しながら進めてゆく語り口が、比類なき特長だ。
中世ミソジニー社会で戦った「異性装」の少女は、どのように語られてきたか?
フェミニズムの視点とともに読み解き、600年にわたって変容されてきた「人生」を紡ぎあげてゆく、実力派作家による博覧強記のナラティヴ・バイオグラフィー。地図・年表・図版多数収録。