提案募集方式における地方分権改革の政策過程
自治体への権限移譲・不移譲の決定要因に関する研究
2000年の改革からの時間の経過とともに、自治体の現場では、地方分権という課題に対して積極的に向き合うような状態にはなくなってきている。2000年の地方分権改革の記憶をもたない若い世代の職員にとってはなおさらであろう。ただし、職員には、日々の業務で直面する課題に対し、分権改革を経た現在の法的枠組みの中で何ができるかを問い続け、実践していくとともに、何かの課題があれば、さらなる改革を求め、なんとか具現化させ、こうした地方分権の恩恵を住民に還元していくことが求められる。
本書は、こうした自治の現場での認識を出発点としつつ、現在の提案募集方式を中心とする地方分権改革有識者会議による地方への権限移譲等を取り上げ、今後の地方分権のありようへの示唆を得ようとするものである。