ローカルボクサーと貧困世界 増補新装版
マニラのボクシングジムにみる身体文化
日本の興行にも必要な「敗者」を供出する、フィリピンの貧しいボクシングジム。ここで著者が寝食を共にした裸一貫の拳士たちの、真の闘いに注目せよ。もう、財力にお膳立てされた「スポーツ」が物足りなくてしょうがない。――(藤原辰史 歴史学者)
ここで問われているのは、「人々はどのようにして生きているか」という普遍的な問いだ。まるで、息を止めて冷たく暗い夜の海に深く潜るように、石岡丈昇は現場に入っていく。――(岸政彦 社会学者)
寝食を共にする調査によって描き出された、ボクサー達の生き様。国際的なマーケットに組み込まれ、闘い続ける彼らはどんな人生を生きているのか。岸政彦氏による解説、ボクサーたちのその後を描く「後章」を加えた、待望の増補新装版。