カメラは光ることをやめて触った

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著者:我妻俊樹 
出版社:書肆侃侃房 地方・小出版流通センター
価格:1,900円

発売日:2023年03月
判型:四六判/ページ数:224
ISBN:9784863855694

内容情報(日販商品データベースより)

装丁:山田和寛+佐々木英子(nipponia)



栞文:瀬戸夏子、平岡直子







夏の井戸(それから彼と彼女にはしあわせな日はあまりなかった)



我妻俊樹の短歌を初めて集成する待望の第一歌集。

誌上歌集「足の踏み場、象の墓場」から現在までの歌を含んだ唯一無二の686首。







わたしがポストニューウェーブ世代でもっとも影響を受けた歌人は我妻俊樹だ。



この歌集を前にして、可能な限り無力な読者として存在してみたかった、と思った。



──────瀬戸夏子











心がないものにこそ心があると思うから、こういう歌だけを信じられる。



我妻さんの歌は、無数の蛍が放たれた小さな暗がりのようで、一首の歌がいくつもの呼吸をしている。



──────平岡直子









2023年3月下旬発売。







【収録歌より】



名刺だよ 髪の毛を切って渡すと私のことに気づいてくれる



秋が済んだら押すボタン ポケットの中で押しっぱなしの静かな神社



渦巻きは一つ一つが薔薇なのに吸い込まれるのはいちどだけ



ガムを噛む私にガムの立場からできるのは味が薄れてゆくこと



橋が川にあらわれるリズム 友達のしている恋の中の喫茶店

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