点のないハハ
詩集
著者:鹿又夏実
出版社:書肆侃侃房 地方・小出版流通センター
価格:1,500円
発売日:2022年10月
判型:四六判/ページ数:112
ISBN:9784863855434
``は私の身体から
地面に落ち
満月が血をしぼった夜に
花を咲かせました
花びらひとつひとつは
巨大な骨に似て
花全体は肋骨のように
満月がふたたび血で
満たされました
泣き声
さけび
ひゅうひゅうと
昔の母とおなじ声で
風が吹いています
音楽に疎いので、雨音や台風の音、港で所在無げに突ったっているクレーンが沈黙している音が好きです。特に、雨が降る音は日本人にとって音楽であり、オノマトペであり、言霊ではないでしょうか。(あとがきより)