メビウスの鎖
著者:桜木幹
出版社:書肆侃侃房 地方・小出版流通センター
価格:1,900円
発売日:2022年02月
判型:四六判/ページ数:141
ISBN:9784863855021
夜空から失せたる星の数だけのさびしい子どもが今宵も眠る
医療者であると同時に妻であり母であることは
常にどちらかに大きくベクトルが振れるということ。
戸惑いと葛藤。歌に喜びと苦しみが同時にやってくる。
【自選5首】
懐妊を医局へ届け出でたればため息まじりの祝福を受く
開始前病名、術式唱えたりミサを行う神父のように
浴室にいるときのみが携帯を離すときなり待機の医師の
「早く早く」何度も子らを急き立てて空もみないで眠りにつけり
歌にして掬えどすぐに新しき憂いがつもる我の心は