日本預金保険制度の経済学
かつて日本の銀行は、北海道拓殖銀行や長期信用銀行のように大きな銀行が相次いで破綻した。しかし、最近では、銀行の破綻はほとんどなくなった。その理由は預金保険制度が導入されているからである。この制度は銀行を保護し、銀行破綻の連鎖をくいとめている。そのことによって預金者が安心して預金できるよう、預金者も保護している。本書はこの仕組みを経済学的観点から分析し、高度な預金保険制度の設計を試みた。同時に、銀行の経営状態が悪化すれば、預金者の引き出しによって銀行取り付けが発生することになり、それを未然に防ぐためには、銀行監督のもとで銀行関係者、預金者がたえず銀行経営の健全化を意識していくことが重要であると、著者は主張している。