永遠でないほうの火
著者:井上法子 東直子
出版社:書肆侃侃房 地方・小出版流通センター
価格:1,700円
発売日:2016年06月
判型:B6/ページ数:144
ISBN:9784863852235
【言葉が奏でる究極の結晶】
とうめいな水の底に光る幻影は、
深い祈りが集めた光なのだと思う。
(東 直子)
[自選短歌五首]
どんなにか疲れただろうたましいを支えつづけてその観覧車
月を洗えば月のにおいにさいなまれ夏のすべての雨うつくしい
煮えたぎる鍋を見すえて だいじょうぶ これは永遠でないほうの火
ふいに雨 そう、運命はつまずいて、翡翠のようにかみさまはひとり
ぼくを呼んでごらんよ花の、灯のもとに尊くてもかならず逢いに行くさ