ボンヘッファー 新装版
第二次世界大戦がドイツの敗北で終わる一カ月前に絞首台で三九歳の生涯を閉じたプロテスタントの牧師ボンヘッファー。彼はなぜ処刑されたのか。ナチスの暴虐に抵抗して反ヒトラー陰謀に加担し,ヒトラー暗殺計画の一員となったからである。わずか二一歳で神学博士となった天才的神学者,ガンジーを尊敬する平和主義者の彼が,いったいどうして「ヒトラー暗殺」を考えるようになったのか。この謎に挑み,その内面の苦闘を彼自身の言葉によって跡づける。戦後のキリスト教,さらに思想界に与えた衝撃を,その源泉に遡って解明する。